少年野球の保護者の負担が高いという話

少年野球チームに入ると、保護者の負担が高くて大変。。。という話をよく耳にします。
今回は、保護者の負担が高いってどんなことなのか、について考えたいと思います。自分自身が経験して感じたことなどをつらつらと書いていきます。

保護者に委ねられること・・・お茶当番、子供たちの送迎などなど

野球チームに入ると、ひと昔前までは、保護者に向けたプリントが渡されます。いわゆる、お父さんお母さんに向けてのお願いやらお当番やらの話です。

我が家が所属していた硬式野球チームは、保護者会が年度初めに開催され、団費、保険、年間行事予定のほか、保護者のお当番などのことが説明されます。おそらくどこのチームも同じような感じだと思います。団費は、チームを運営していく上で必要な経費をまかなうために存在しており、監督さん、コーチへ月謝のようにお支払いするものではないので、保護者もチーム運営のためにサポートする、というのが一般的です。いわゆる、ボランティアで構成されているということですよね。

さて、ボランティアで構成されている野球チームですが、保護者に委ねられることとしては、
・お茶当番・・・監督さん、コーチへお茶など飲料を提供する
・選手(子ども)たちの見守り・・・練習や試合中にケガなどのトラブル対応
・選手の送迎・・・試合会場、練習場所が遠方の場合の車だし
・試合における審判・アナウンス
・試合時の相手チームへの対応・・・手土産の用意や受け入れ時の炊き出しなど
といったことが挙げられます。特別難しいことはないですよね。ただ、毎週のように練習試合など、試合をすることがほとんどですので、お当番でなくても出向く機会が多いです。試合となると、審判、アナウンスがあるので、お当番でない方が積極的にその役割を担うこともしばしばです。

活動範囲が広い = 保護者の負担が増える

保護者に委ねられるものがだいたいわかったところで、その負担の大きさについてどんなものか、考えていきたいと思います。

硬式野球チームに入団して一番に感じたことは、活動範囲が広い!ということです。
練習場所は、入団前にチェックするので許容範囲内ですが、試合会場は、我が家の場合は都内におさまらず、関東近県、東北、中部地方までにわたりました。当たり前と言われれば当たり前なのですが、入団する前までは実感がわきませんでした。
シーズンに入ると、毎週のように地方へ行くことになります(遠征ですね)。試合開始時刻にあわせて会場入りしますから、会場までの所要時間に加え、試合までのアップなどの時間、渋滞予想を考えて、出発時刻はかなり早めに設定されます。さらに、お母さんたちは、子どものお弁当、自分自身やお留守番する家族のための食事の用意があります。もっと早くから準備に時間を取られます。そして、遠征場所の距離が長くなればなるほど、拘束時間も伸びてきます。
ですから、付き添いひとつとっても、活動範囲が広くなれば、その往復に多大な時間が費やされ、また、その準備にも時間がかかり、結果として、肉体的にハードになってくる、というわけです。
試合のための遠征となると、さらにお父さんは審判、お母さんはウグイスのお役目も出てくるので、肉体的にも精神的にも負荷があがってきますね。

私自身が実際に経験した遠征では、東京から静岡へ遠征試合で、朝4時半集合ということがありました。お弁当の準備もろもろで、夜中2時頃からお弁当や飲料などの支度をして、集合場所へ3時半着、試合会場へ7時頃着、試合を終えて会場を後にするのが17時頃、家についたのは20時回る、ということもありました。大変だ!なんて感じている余裕もなかったと記憶しています。大人も大変ですが、子どもたちも大変だったと思います。

少年野球だけが保護者の負担が高いのか?

こんな風に書いていくと、『野球は保護者はすごく大変だ。自分には無理・・・』とネガティブ思考に傾きそうになりますが、他のスポーツはどうなんでしょうか?
少し調べてみると、どのスポーツもそれなりに保護者の負担はあるようです。
野球離れは保護者の負担が高いから、とよく言われますが、サッカーも同じように保護者の負担が高くて、サッカー離れが進んでいる、という話もでてきます。また、アイスホッケーをやっている息子さんを持っている知り合いは、アイスホッケーの練習はスケートリンクの営業時間外の早朝か深夜になるから、必ず送迎は必要だし、道具がかさばるから荷物運びも大変だ、と話していました。
子どもがスポーツをやるには、家族のサポートが欠かせないのがよくわかりますね。練習場所が自宅から遠ければ送迎手段を考えるし、練習中など怪我をしたときのために、救急道具も必要だし、場合によっては病院へ行くこともあります。そう考えていくと、野球だけが保護者の負担が高いのではないのです。もし野球だけ、ということがあるとしたら、審判やウグイス、といったところでしょうか。近年は、お茶当番をなくそう、といった、保護者の負担を減らす動きも出てきて実践されているチームもでてきましたね。

負担についてどう向き合うか

保護者の負担が高い、というのは確かに感じます。実際に週末は、厳密にいえば金曜夜から、チーム活動のために動き出して、日曜日までしっかり野球漬けにされますよね。チームを卒業するまで、ほぼ毎週繰り返されるのですから、それ相応の覚悟が必要だと、私は思っています。そのうちに、参加することに積極的でない保護者がいることにも気づきますから、不公平感を感じたりすることも出てきます。チームによっては、保護者間のトラブルが発生して、子どもにまで影響が及び、退団する事態にまでなることもあります。親が頑張っているのに、子どもがのらりくらりやっていたりしようものなら、腹立たしい気持ちも芽生えます。自分の子どもは試合に出れていないのに、毎週のように車を出しているのにやるせなさを感じたり。。。いろいろな状況や思いが混ざり合って、負担が高い、と感じることも少なくないと思います。
あー、しんどいな、いやだな。。。そう思ったときに、少し立ち止まって思い返してほしいことがあります。それは、野球をやりたい、と思ったのは、自分の子どもだ、ということです。
子どもは純粋に野球が好きで、野球をやりたくてチームに入団したはずです。時には、野球やりたくない、だとか、さぼったりとかするかもしれませんが、でも、はじめは野球がやりたくて始めたのです。保護者である私たちは、その気持ちを応援したかったからチームに入ったのですよね。
負担がない、負担に思うものではない、なんてことは決して思いませんし、言うつもりもありません。でも、子どもの気持ちにこたえるためにそのお手伝いをしているんだ、と思えれば、その負担もまた少しはポジティブに考えられるのではないでしょうか? 私も、チームにいる間は本当にしんどくて、やめようかどうしようかと何度も悩んだ時期もありました。でも、卒団するときは、終わった達成感もさることながら、やっぱり最後まで頑張ってよかったな、という気持ちのほうが大きかったです。それは、子どもも同じだったようで、しんどいことがあっても「あの時に比べればなんてことない、最後までがんばれたし」と言っていました。大変な中にも頑張ってよかったな、と思える瞬間があると、私は思っています。
保護者の負担、どう向き合っていくか。向き合い方を少し考えると世界の見え方が変わってくる気がしませんか。

 

 

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